ステンレスの包丁はあまり切れない?
2020年2月10日
2023年4月9日
いえ、決して一概にそんなことはありません。
ステンレス包丁にもいろいろありましてピンキリです。
昔から錆びる炭素鋼(通称ハガネ)を自分で研いで使ってきた方は特にステンレスにネガティブな印象をもっているようです。ステンレス鋼は炭素鋼に比べて素地の粒子が荒いので切れが鈍く、錆びにくいことで逆に切れが持続しない性質があります。またそのデメリットを補うために添加された炭化物が研ぎ難さに影響を与えています。
実際、安価なステンレス鋼の包丁、とりわけ単板を型抜きした全鋼はそれが顕著です。
刃物の良し悪しは鋼材によるところが大きいですが、日立金属の銀3、武生特殊鋼材のV金10号という優れたステンレス鋼材を用いた包丁はお値段も少し高めですが炭素鋼に匹敵する切れ味と耐摩耗性があります。
良い包丁のポイントとして切れ味が鋭く、その切れ味が持続することが挙げられます。それを実現するには鋼材の硬さ、粒子の細かさなどが重要となりますが、現在はステンレスでも非常に優れた鋼材が作れるようになりました。
また、粉末ハイス鋼と呼ばれる非常に硬く粒子が細かい特殊なステンレスで作られた包丁は、研ぐのが大変なほど硬くプロの料理人も使用しています。
当店ではそうした評判の良い鋼材を用いた研ぎやすい割込み包丁をおすすめしています。