刃物研ぎは感と経験によるところが多く、研ぎ上げてお客さまにお渡しする前に切れ味のテストを致しますが刃物がどういう状態なのかを示す客観的な情報が少ない。
今回研いだのは貝印の菜切り包丁。見た感じ小さな欠けがあるものの概ね状態は悪くはないように見えます。
![](https://togiya2020.com/wp-content/uploads/2020/07/薄刃孫六2-1.jpg)
しかし、顕微鏡で見てみると欠けがたくさんあり、孔食も確認できた。
![](https://togiya2020.com/wp-content/uploads/2020/07/菜切り4.jpg)
肉眼で容易に確認できる欠けの状態はこんな感じ。
![](https://togiya2020.com/wp-content/uploads/2020/07/菜切り35.jpg)
欠けた部分は削り上げて上質な砥石で仕上げると研ぎ傷も滑らかに。
![](https://togiya2020.com/wp-content/uploads/2020/07/菜切り2.jpg)
![](https://togiya2020.com/wp-content/uploads/2020/07/菜切り1.jpg)
作業をする時は時々ルーペを使っていますがこうして顕微鏡で見てみると大変興味深い。出張の現場で顕微鏡を使うことはできないものの、刃先の状態を知ることは有益でした。今後の研ぎに活かそうと思っています。
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