ステンレスの包丁はあまり切れない?

いえ、決して一概にそんなことはありません。
ステンレス包丁にもいろいろありましてピンキリです。

昔から錆びる炭素鋼(通称ハガネ)を自分で研いで使ってきた方は特にステンレスにネガティブな印象をもっているようです。確かにステンレス鋼は素地の粒子が荒いものが多く不純物も多いので炭素鋼に比べて平均すると切れ味とその持続が劣る印象はあります。

その一方、クロムなどの様々な素材を混ぜることで錆びに強くしています。純度の高い炭素鋼は研いだ直後から空気に触れただけで酸化して色が変わりますし、お手入れを怠るとたちまちサビだらけになり、最後はボロボロになってしまいます。この難点をどうにか克服できないかと考え出されたのがステンレス鋼です。

しかしステンレス鋼は錆びにくくはなりましたが肝心の切れ味が損なわれ、おまけに研ぎにくさも加わってしまいました。とりわけ安価なステンレス鋼の包丁、中でも単板を型抜きしただけの全鋼はそれが顕著です。

とはいえステンレス包丁も日々進化しています。

良い包丁のポイントとして切れ味が鋭く、その切れ味が持続することが挙げられます。それを実現するには鋼材の硬さ、粒子の細かさなどが重要となりますが、現在はステンレスでも非常に優れた鋼材が作れるようになりました。日立金属の銀3、武生特殊鋼材のV金10号、粉末ハイス鋼という優れたステンレス鋼材を用いた包丁はお値段も少し高めですが炭素鋼に匹敵する性能を有しています。

当店ではそうした評判の良い鋼材を用いた研ぎやすい割込み包丁をおすすめしています。

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