包丁研ぎ事例 17 9月 2022 ステンレスでも錆びます ステンレス包丁は鉄と炭素の合金にクロムを一定以上混ぜたステンレス鋼を使用しています。クロムを混ぜることで酸素と結合して透明な皮膜が作られ、それがサビを予防するので錆びに強い刃物となります。 しかし、「錆びにくい」というだけで錆びないわけではありません。炭素鋼のような見た目に赤黒く目立つサビはできにく… 続きを読む
包丁研ぎ事例 21 7月 2022 世代による文字の大きさ 今回は研ぎとはちょっと関係の無いお話です。 研ぎをお受けする際にお名前と電話番号を書いていただくのですが、世代によって文字の大きさや書き方に傾向があることが気になりました。 概ね50代以上の中高年は男女共に文字が大きく、それより下の世代は男性でも小さい文字を書く人が多いのです。 例えて書くと下の写真… 続きを読む
包丁研ぎ事例 4 4月 2022 料理の秘密は包丁研ぎから アクが出ない包丁!? お客様からうれしいコメントが写真付きで届いたのでご紹介いたします。 研いだその日に作ったきんぴらごぼうの出来栄えにとても喜んでおられました。 よく切れる包丁は素材の細胞を潰さないので雑味が出ないと言われますが、こうして実際にお料理のお役に立てたことは研ぎ師として大変うれしいです… 続きを読む
包丁研ぎ事例 29 3月 2022 手研ぎvs機械研ぎ 「おたくは機械で研ぐの?」と、たまに聞かれます。 「ええ。でも手と両方です。」 「やっぱり、手で研いでいるからいいのよね」とも言われます。 「いえ、機械も使いますよ」 「・・・・」 ちゃんと研げれば機械でも手でもどちらでも良いと思うのですが、なぜそのような質問をされるのか知りたくなり理由を尋ねると、… 続きを読む
包丁研ぎ事例 19 3月 2022 パンを切るなら包丁で 食パンやフランスパンを切るとき、パン切りナイフを使いますか? 今回はパン切りナイフをあえて用意しなくても包丁で間に合うというお話です。 波型に加工されたノコのようなパン切りナイフはパンを主食とする欧米で生まれたもの。 刃物を研ぐ習慣が無く切れ味の鈍い欧米のナイフではパンは切りにくいので、波型に加工す… 続きを読む
包丁研ぎ事例 10 7月 2021 研ぎはSDGs 最近良く耳にするSDGsという言葉。 日本語で「持続可能な開発目標」と何やら抽象的な標語ですが、国連で決まった2030年までの世界共通の目標とか。 その17の目標の中のひとつ、 リサイクルとかリユースとかをイメージするこの目標は、刃物研ぎの仕事にも通じるものと思いました。 包丁研ぎは台所のシンクに眠… 続きを読む
包丁研ぎ事例 13 3月 2021 鋼と地金が分離した包丁 珍しい状態の割込包丁です。 飲食店で従業員が落としたとのことで切先の鋼が折れて無くなっていたのですが、地金が残っていてまるで鋼と地金が剥がれたような感じの三徳包丁を預かりました。 鋼は炭素鋼で地金はステンレスのようでしたが、折れたり欠けたりする場合は両方とも損傷することが普通です。このように色鉛筆の… 続きを読む
包丁研ぎ事例 9 3月 2021 段刃と研ぎの角度 刃線は壊れていないもののほとんど片刃に研がれた包丁をお預かりしました。 問題だったのはハサミのように鈍角にガッツリ削られた刃先です。ここまで研ぎ減らした分厚い刃を切れるように研ぐのは大変です。本来はこうなる前に対処しなくてはなりません。 研ぎ方が変わる包丁 包丁は刃先が薄く、峰側が厚いテーパー状にな… 続きを読む
包丁研ぎ事例 1 3月 2021 つる首になりやすい包丁 見事に刃線が歪んだ牛刀です。コンコルドのように切先が曲がっていることからつる首と呼ばれます。がんばって研いで長年使用してきたものの使いづらく、切れなくもなったとのことでご依頼頂きました。 先の細い包丁(柳刃、牛刀、筋引、ペティナイフ)などは切先の薄さと刃線の反りを考慮して研がないと、強く押さえた先端… 続きを読む
包丁研ぎ事例 9 2月 2021 歪みだらけの柳刃包丁 切先が少し欠けた左利き用の柳刃包丁を預かりました。下ろしてから一度も研いでいないようで、堺モノなのか裏押しもされていない状態でした。 一見新品のようにきれいでしたが、確認すると先端付近が表側に反っていました。古い片刃の包丁で反っているのは珍しくありませんが、購入された時からだとしたら問題です。 しか… 続きを読む