包丁研ぎ事例 24 11月 2020 第一回研ぎ教室を終えて 先日、横浜戸塚の有隣堂カルチャーセンターにて包丁研ぎの講義をさせていただきました。講師として人前で話すのは初めての経験で何をどのように伝えたら良いか手探りしながらの講義でしたが皆さん真剣に聴いていただき感謝しております。参加された方からも後日、大変役立ったとのお電話をいただき今後の励みとなりました。… 続きを読む
包丁研ぎ事例 24 8月 2020 焼きの甘い刃物 研いでカエリが出るのに刃がつかない。しかもそのカエリはなかなか取れずに手で剥がさないと落ちないくらい頑固なバリがあります。その様は短い刷毛のようでもあります。 そんな庖丁の刃先をマイクロスコープで見ると短冊の様でもあり、異様なカエリになっています。 写真は荒砥で研いだものですが、このような症状は焼き… 続きを読む
包丁研ぎ事例 2 8月 2020 砥石による研ぎの変化 マイクロスコープを手に入れたので今回もそれを使って砥石による研ぎ上がりの変化を検証してみたいと思います。 刃物は藤次郎のステンレス三徳庖丁。肉眼で確認できるほどの欠けがたくさんあり、孔食も無数にありました。 荒削り 大まかにグラインダーで大きな欠けを削り落とします。刃を潰しているのでこの状態ではまっ… 続きを読む
包丁研ぎ事例 25 7月 2020 刃先の状態をミクロで知る 刃物研ぎは感と経験によるところが多く、研ぎ上げてお客さまにお渡しする前に切れ味のテストを致しますが刃物がどういう状態なのかを示す客観的な情報が少ない。 今回研いだのは貝印の菜切り包丁。見た感じ小さな欠けがあるものの概ね状態は悪くはないように見えます。 しかし、顕微鏡で見てみると欠けがたくさんあり、孔… 続きを読む
包丁研ぎ事例 27 6月 2020 片刃に研いではいけない包丁 アゴが小さくなりかなり使い込まれた三徳包丁。 研ぎ減らされているので刃先がかなり厚ぼったくなっていて片刃気味に研がれていました。さっそく厚みを抜きながら両刃に仕上げていきましたがどこかおかしい。切れ味が悪く刃の付きが怪しいのです。この包丁は鋼を左右のステンレスの地金でサンドイッチして作られた「合わせ… 続きを読む
包丁研ぎ事例 26 5月 2020 研いではいけない包丁 刃が付かないナイフ セラミックの包丁を除いて金属の包丁なら何でも研げると思っていました。 しかし、そうではないことを初めて知りました。 先日研いだこの果物ナイフはいくら研いでも刃が付きませんでした。 荒砥でしっかりバリを出しても中砥で擦るとそのバリが取れてツルツルになってしまう。刃の目が細かくなるの… 続きを読む
包丁研ぎ事例 4 5月 2020 変形した刃線 非常にユニークな形に研がれた包丁をお預かりしました。 切先と刃元の部分が丸く削られた形をしています。ある業者に研ぎに出したところ、返って来るとこのような形になっていたそうです。機械でかなり削らないとこのようにはできないですが、研ぎ師としての独自性を出したかったのでしょうか?理由は不明です。 子供用の… 続きを読む
包丁研ぎ事例 25 3月 2020 強烈に錆びた刈り込み鋏 殆ど使っていなかったという刈り込み鋏は錆びが酷く刃もつるつるでした。ここまで錆びていると見た目をきれいにすることは困難ですが、かしめはネジなため研ぐのは楽でした。… 続きを読む
包丁研ぎ事例 17 3月 2020 壊れた和牛刀と柳刃の修正 お客様自身で研がれていた和牛刀と柳刃です。牛刀は鎬が歪んで切刃も歪んでいましたが、それだけでなく、柳刃、牛刀共に裏面を角度を付けてとがれていました。これは最もやってはいけないのですが、一般の方にはあまり知られていないので、やってしまう方も多いようです。 通常ここまで状態が悪いと刃物店では研がずに買い… 続きを読む
包丁研ぎ事例 15 3月 2020 ステンレスの片刃牛刀 珍しい片刃の牛刀を研ぎました。洋包丁に和包丁の良さを加えたデザインです。片刃本来の切れ味があるかは別として、鎬があるので研ぐ時はそれに合わせることでアングルが決まりやすいメリットはあります。 本格的な片刃包丁ではないので裏スキは入っていませんでした。ですので裏スキというよりも簡単に平らに研いだ後にほ… 続きを読む