研がなくて良い包丁はあるか?

結論から言えば研げない包丁はありますが、研がなくて良い包丁はありません。包丁に限らず刃物は使えば刃先が摩耗し丸くなります。刃先が丸まった刃物はただの金属の板です。逆にきちんと研げば野菜やお肉が気持ちよくスッと切れます。とはいえ優れた包丁とそうでない包丁とでは切れ味の感覚は違いますし、その持続も違います。

例えて言うと刃物は鉛筆と同じで使い続ける限り研がなくてはなりません。特に安価な包丁は硬さが無く耐摩しやすいため研ぐ頻度が多くなります。自身できちんと研げればいいのですが出来ない場合は簡易シャープナーを使うか専門店に研ぎを出す必要がでてきます。シャープナーは簡単で手軽ですが砥石による研ぎとは違って一定の鈍角にしか削れませんし、切れも持続せず変形もしやすいというデメリットがあります。臨時的に使うのはアリですが頻繁につかうと包丁を駄目にするので高価な包丁にはおすすめしません。そこで専門店に出すことになりますが文化包丁なら¥1,000~¥2,000くらいします。刃がすぐ潰れてしまう安価な包丁は毎月のように頻繁に研ぎに出すと考えると、その予算で良い包丁が買えてしまいます。

研がなくても良い包丁が無いのは洗わなくても良いお皿が無いのと同じです。巷では研がなくても良いという謳い文句の包丁が散見されますがほとんどがまがい物です。しっかりした鋭い切れ味を求めるのであれば、やはり良い包丁を面倒でもこまめに研ぐことが欠かせません。