
プロの研師が使っている砥石たち
試し切りを見た方から、よくこんな言葉をいただきます。
「さすがにプロは違うね。砥石も特別なものを使ってるんでしょう?」
でも実は、特別な砥石を使っているわけではありません。
砥石にはそれぞれ個性があり、包丁の種類や状態、研ぎ方、仕上がりの好みによって選び方も変わってきます。だからこそ、目的に応じて使い分けているだけで、プロだからといって特別な砥石を使っているということはありません。
とはいえ——
「包丁を研いでみたいけれど、どんな砥石を選べばいいのか分からない」
そんなお悩みの声もよく耳にします。
そこで今回は、私が日常的に使っている砥石の一部をご紹介します。
いずれも“プロ用”として売られているものではありませんが、バランスがよく品質も高いため、出番の多い信頼できる砥石たちです。
砥石を使う前に、いの一番に必要なのが「面直し砥石」

これは、いわば「砥石を研ぐための砥石」です。
なぜ面直しが必要かというと——
どんな砥石でも、使えば必ず凹みます。そして、凹んだ砥石で包丁を研ぐと、包丁の刃が正しく当たらず、歪みや変形の原因になります。
実際に、「うまく研げない」「刃が曲がったような気がする」という方の砥石を見せてもらうと、ほぼ例外なく凹みがあります。
面直しは、最低でも包丁1本を研ぐごとに行うべき、いわば基本中の基本です。
見た目では分からない程度の凹みでも、研ぎの精度に大きく影響します。
面倒に思えるかもしれませんが、毎回、砥石を真っ平らにしてから研ぐこと。
これこそが、プロのような仕上がりを実現する第一歩なのです。

面直し砥石 両面式ダイヤモンド修正砥石#180+#120 Diamond surface straightening stone
日々のメンテナンスは中砥石1000番で

この砥石は、荒砥で荒れた面の補正や、仕上げ砥への中継ぎとして使えるほか、刃付けの基本としても活躍します。
購入して間もない包丁や、研ぎ直しでリフレッシュされた比較的状態の良い包丁の切れ味を回復させるのに、とても効果的です。
この砥石で月に1回程度、適切に刃先を整えていただければ、毎日の料理が快適に行えます。
ほどよい硬さと優れた研磨力を兼ね備えた、バランスの良い使いやすい中砥石といえるでしょう。
中砥 #1000 Medium whetstone
