現在、多くの大手包丁メーカーでは他の工業製品と同様に海外生産が進んでおり、特に廉価モデルにおいては「海外製」または「海外で製造されたものを日本で最終加工した製品」が多く見られます。
そのなかでも今回は、純粋な中国メーカーによる中国製の包丁を実際に取り寄せて検証してみました。

高級モデルらしい豪華なパッケージ
今回の検証対象は、100ドル以上する高級クラスの中国製包丁。
開封すると、まず目を引くのが日本製とは比べものにならないほど豪華なケースでした。
- 化粧箱には赤いシートが貼られ、しっかりとした蓋付き
- メガネ拭きのようなクロスや除湿剤も同梱
見た目のプレミアム感は非常に高く、パッケージだけで価値を感じる人も多いのではと思われます。

ブレードは「ダマスカスVG-10」
ブレードには、日本の鋼材メーカーが製造するVG-10鋼を使用。
地金はダマスカス模様で海外市場では人気の仕様です。素材としては非常に良質で、きちんと加工されていれば高い切れ味が期待できるものです。

気になる重量と持ち心地
日本製の牛刀(210mm)は通常200g前後ですが、この包丁は8インチ(約200mm)で250gとやや重め。
ハンドルがステンレス製であるにも関わらず、全体にズシリと重く、日本の一般家庭、とくに女性には扱いづらい印象を受けました。
刃の厚みと歪みがネック
- 刃先は厚く、しかも過度な小刃が付けられているため、食材への食い込みが悪い
- 平(ヒラ)の部分に歪みもあり、研ぎの仕上げや精度の甘さが目立ちます
おそらく、欧米市場を意識して「欠けにくさ」を重視した仕様なのかもしれませんが、日本の調理現場で求められる切れ味とは方向性が異なります。
実際に使ってみると…
- 肉やトマトなどの柔らかい食材は問題なし
- しかし、玉ねぎ・人参・大根といった硬めの野菜では切れ味の鈍さが顕著
→「この価格帯としては物足りない」と感じました。

研ぎ直しで真価を発揮!
2か月ほど使ってからきちんと研ぎ直したところ、切れ味は格段に向上しました。
VG-10という良い素材を活かすには、やはり刃付けの精度が重要であり、
初期の仕上げが甘かったのが残念な点です。
総評:悪くはないが、研ぎで化ける包丁
- 初期の仕上げ精度に課題あり
- 材料は優れており、研ぎ直しで高い性能を発揮できる
- 海外向け仕様なので日本人にはやや重く感じるが、価格に見合うポテンシャルは十分にある
中国メーカーの技術進化は著しく、今後さらに完成度の高い製品が登場してくると予想されます。
「安かろう悪かろう」ではなく、今後は「研げば使える」時代になりそうです。
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