研いでも刃が付かない…その原因は「鋼の硬度」にあるかもしれません。
ある日お預かりした包丁で、以下のような異常が見られました。

研ぎ作業をしてカエリ(バリ)はしっかり出るのに、なぜか刃が立たない。
しかも、そのカエリが非常にしつこく、砥石では取れず、最終的に指で剥がさないと落ちないほど頑固なバリになっていました。
まるで刷毛の毛先のような短い繊維状のカエリがびっしり。

マイクロスコープで確認すると…
刃先をマイクロスコープで観察してみると、短冊のように裂けた異様なカエリが確認できました。
荒砥で研いだだけで深刻なダメージ
この写真は、荒砥で研いだ直後の刃先の様子です。こうした症状は、焼きが甘く、鋼材が柔らかすぎる刃物によく見られます。
依頼主のお話によれば、過去にグラインダーで研いでもらったことがあるとのこと。
今回の包丁も刃線が不自然に湾曲しており、グラインダーによる熱で焼きが戻ってしまい、鋼が鈍ってしまった可能性があります。
柔らかい鋼はカエリの処理に注意が必要
焼きが甘くて硬度が低い包丁は、荒砥で研ぐと研ぎ傷が深く入りすぎるため、
その後のカエリ取りの段階でせっかくつけた刃がごっそり取れてしまうことがあります。
結果として、いくら研いでも刃が付かないという悪循環に。
対策:硬度の確認と慎重な対応が重要
こうしたトラブルを防ぐには、
包丁の硬度を確認することも重要かもしれません。
- やわらかい鋼材は荒砥での研磨を避ける
- カエリの処理は慎重に
- 明らかに焼き戻りが見られる場合は、修復が困難なこともある
焼きが甘い刃物は、見た目では判断できないことが多く、研ぎの経験と観察眼が試されます。
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