「おたくは機械で研いでるの?」
時々、こんな質問を受けます。
「はい、手も機械も両方使いますよ」と答えると──
「やっぱり、手で研いでるからいいのよね!」と言われることも。
「いえ、機械も使ってますよ」と言うと、
一瞬、間があいて、少し残念そうな表情になる方もいます。

機械研ぎ=悪、という誤解
なぜ「機械で研ぐの?」と聞かれるのか、その理由を伺うと、ある方はこんな経験をされていました。
「以前、イベントで大工さんに研いでもらったら全然切れなかったんです。
その方は機械で手早くやってたんですけど……」
なるほど、それは納得です。
でも、それは機械研ぎが悪いのではなく、道具の扱い方の問題です。
「包丁をよく知らない人が、不適切な機械で雑に削ったから」
というのが本当の理由。

大切なのは「誰がどう研ぐか」
機械か手か、どんな砥石を使うかは、あくまで手段です。
目的は「ちゃんと切れる刃にすること」。
実際、私より腕の良いプロ中のプロたちも、機械を駆使して研いでいます。
また、刃物メーカーの工場では、ほとんどが機械研ぎです。
機械がすべて悪いのではなく、扱い方と知識、経験がモノを言う世界なのです。


手と機械の「いいとこ取り」
私自身も、状態の悪い包丁をすべて手研ぎで直していたら、時間がいくらあっても足りません。
ですので、必要に応じて電動の研ぎ機も使います。
ただし、機械だけに頼るのではなく、最終的には手で微調整することで、仕上がりに差が出ます。
写真のように、回転する砥石に手で包丁を当てて研ぐ作業は、実は手研ぎ以上に繊細な技術が求められます。
「機械で研ぐ」といっても、砥石が電気で回っているだけで、研ぎそのものは“手作業”なのです。
逆に、こうした機械を知識もなく使えば、包丁をダメにしてしまう危険もあります。
「本当の機械研ぎ」とは
「本格的な機械研ぎ」と言えるのは、刃物メーカーの工場で使われている自動研磨機です。
これは刃物をセットし、コンピューターに研ぎ角度などのデータを入力するだけで自動的に仕上げてくれます。
まさに“機械に研がせる”作業ですね。
まとめ
- 手研ぎ=良い、機械研ぎ=悪いという単純な図式ではありません。
- 大切なのは「誰が、どう研ぐか」。
- 状態に応じて手と機械を使い分けるのが理想です。
「ちゃんと切れる包丁にする」ために、最善の方法を選んでいる。
それが、私の研ぎ方です。
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