柄の交換とハンドルの種類について

包丁研ぎ事例

柄の交換とハンドルの種類について

「包丁の柄を交換できますか?」

はい、和包丁の差込式の柄であれば交換は可能です。

ただし、いくつか注意点があります。

まず、「最後に交換したのはいつですか?」とお聞きします。

・「買ってから一度も…」 ・「20年くらい前…」

このような場合、口輪付近の腐食が進み、柄にひびや割れが生じている可能性があります。特に、割れ目が1ミリ以上広がっている場合は、残念ながら交換をお受けできません。

柄が交換できないケース

柄が著しく劣化している場合、容易に外すことができず、割って取り外す必要があります。その際、中子(なかご)が錆びてボロボロになっていることが多く、

・新しい柄に差し込んでもグラグラする ・詰め物で無理に固定しても途中で折れる、抜ける ・最悪、調理中に包丁が抜けて落下し、大怪我のリスクがある

といった問題が発生します。

和包丁の特徴と柄の交換時期

昔ながらの黒打ち包丁や出刃、柳刃包丁などの片刃和包丁は、炭素鋼(ハガネ)で作られているため錆びやすく、柄の内部も腐食が早いです。

中子がしっかりしている場合、適度な錆びによって固定される効果がありますが、腐食が進むと交換不能となります。

そのため、数年に一度の交換をおすすめします。

最近はステンレス製の和包丁も増えており、炭素鋼ほど頻繁に交換する必要はありません。しかし、ステンレスも錆びないわけではなく、水分が残ると柄の内部で錆びが進行します。使用後はしっかり乾燥させることが大切です。

このように形がしっかりした状態であれば交換可能

洋包丁のハンドルについて

写真のような鋲打ちの洋包丁は、柄の交換をお受けしておりません。

洋包丁の中子の形状や鋲の仕様はメーカーごとに異なり、通常はメーカーに修理依頼をするのが一般的です。また、ハンドル交換を希望される洋包丁の多くは、中子が腐食して朽ち果てていることが多く、溶接してまで修理するのは現実的ではありません

炭素鋼の牛刀などは錆びによる中子の劣化が多いため、鍔(つば)のついたモデルが主流です。刃元の鍔が水分の浸透を防ぎ、耐久性が格段に向上します。

おすすめの選択肢

「錆びの心配をしたくない」という方には、ステンレス製のハンドルがおすすめです。

このタイプは刃もステンレス鋼で作られており、サビに強くお手入れが簡単です。特に、モナカハンドルは木製よりも軽量で、手に馴染むエルゴデザインのため人気があります。

まとめ

和包丁の柄は、できればお正月を迎える前に年に一度交換するのがおすすめです。柄を定期的に交換することで包丁が長持ちし、新年を気持ちよく迎えられます。

適切なメンテナンスで、大切な包丁を末永く使いましょう。

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