初心者必見!砥石の選び方ガイド
包丁を研ぐにはどんな砥石を用意すればいいの?
そんな疑問の参考にして頂ければと思います。

包丁を研ぐうえで欠かせない砥石。どんな砥石を使うかによって、作業のしやすさも仕上がりも大きく変わってきます。
一見どれも同じように見える砥石ですが、刃物の材質によって相性があり、選び方を間違えると思うように研げないことも。
今回は、初めて砥石を購入する方のための「基本ガイド」として、ポイントをわかりやすくご紹介します。

■ 砥石の種類について
砥石には大きく分けて以下の2種類があります。
- 天然砥石:自然の山から採れる希少な砥石。高価で扱いも難しいが、独特の研ぎ味が魅力。
- 人造砥石:人工的に作られた砥石で、品質が安定しており初心者にも扱いやすい。
今回は、初心者におすすめの「人造砥石」を中心に解説します。

■ 初めての1本におすすめの砥石
砥石に求められる理想の条件は以下の4つ:
- よく削れる
- 減りにくい
- 深いキズがつきにくい
- 価格が手頃
とはいえ、これらすべてを完璧に満たす砥石はなかなかありません。
そこで初心者におすすめなのが、
シャプトン社の「刃の黒幕シリーズ」または「ロックスターシリーズ」です。
- 水に浸ける必要がなくすぐ使える
- 研ぎ心地がなめらか
- キズが浅く、仕上がりがきれい
など、非常にバランスが良く、最初の1本にぴったりです。実際、国内外を問わず世界中のプロも愛用者が多い砥石です。
■ 番手(粒度)の選び方
砥石には「番手」と呼ばれる数字があり、粒子の大きさを示します。
| 種類 | 番手の目安 | 用途 |
|---|---|---|
| 荒砥石 | #180〜#320 | 欠けの修正・形の調整などに使用(初心者は注意が必要) |
| 中砥石 | #1000前後 | 一般的な日常のメンテナンス用。最もよく使う番手 |
| 仕上砥石 | #3000以上 | 切れ味をさらに高める仕上げ用。料理好きにおすすめ |
※迷ったら、まずは中砥石(#1000)から始めましょう。
■ 研磨材(砥粒)の種類と特徴
砥石の研磨力は、含まれる砥粒によっても変わります。代表的なものは以下の通り:
- ダイヤモンド:非常に硬く、高い研削力。主に修正用。
- GC(緑色炭化ケイ素):硬く、主に荒砥に使われる。
- WA(白色アルミナ):最も一般的。荒砥から仕上砥まで幅広く使われる。
- PA(淡紅色アルミナ):WAよりやや柔らかめ。滑らかな研ぎ感が特徴。
※一般的な砥石はWAが主成分として使われています。かなり専門的ですので参考までに。
■ 砥石の結合材と製法
砥粒を固めて砥石にするための「結合材」には次のような種類があります。
砥石といえばビトリファイドというくらいメインとなるものですが、同じ砥粒でも製法によりまったく違った性質になるので選ぶ基準としては重要です。
| 製法 | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| ビトリファイド | 高温焼成。硬く、研削力が高い。水に浸けて使用 | 一般的で多用途 |
| マグネシア | セメント系。なめらかでキズが浅い。「刃の黒幕」「ロックスター」など。 | 水に浸けっぱなし厳禁 |
| レジノイド | 樹脂結合。弾性があり柔らかい | 刃当たりがよく仕上げに最適 |
それぞれに向き・不向きがありますので、特徴を理解し、目的に応じて使い分けるのが理想です。
※ただし、製法は表示されていないことが多いため、購入時は専門店で聞くのが確実です。
■ 天然砥石について
天然砥石は、京都周辺のごく限られた山でのみ採掘される非常に貴重なものです。
- 職人に愛用される独特の研ぎ味
- 同じものが二つとない個体差
- 高価だがコレクター人気も高い
初心者のうちは人造砥石で基本を身につけ、慣れてきたら天然砥石にも挑戦してみるのがよいでしょう。
■ まとめ
- 最初の1本は「中砥石 #1000」がおすすめ
- シャプトン「刃の黒幕」や「ロックスター」は扱いやすく高性能
- 番手・研磨材・製法によって砥石の性質は大きく異なる
- 天然砥石は上級者向けだが、魅力も大きい
砥石選びは包丁研ぎの第一歩です。自分に合った砥石を見つけることで、研ぎの楽しさもぐっと広がります。
この記事が、みなさんの砥石選びの参考になれば幸いです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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