包丁研ぎ事例 19 3月 2022 パンを切るなら包丁で 食パンやフランスパンを切るとき、パン切りナイフを使いますか? 今回はパン切りナイフをあえて用意しなくても包丁で間に合うというお話です。 波型に加工されたノコのようなパン切りナイフはパンを主食とする欧米で生まれたもの。 刃物を研ぐ習慣が無く切れ味の鈍い欧米のナイフではパンは切りにくいので、波型に加工す… 続きを読む
包丁研ぎ事例 10 7月 2021 研ぎはSDGs 最近良く耳にするSDGsという言葉。 日本語で「持続可能な開発目標」と何やら抽象的な標語ですが、国連で決まった2030年までの世界共通の目標とか。 その17の目標の中のひとつ、 リサイクルとかリユースとかをイメージするこの目標は、刃物研ぎの仕事にも通じるものと思いました。 包丁研ぎは台所のシンクに眠… 続きを読む
包丁研ぎ事例 13 3月 2021 鋼と地金が分離した包丁 珍しい状態の割込包丁です。 飲食店で従業員が落としたとのことで切先の鋼が折れて無くなっていたのですが、地金が残っていてまるで鋼と地金が剥がれたような感じの三徳包丁を預かりました。 鋼は炭素鋼で地金はステンレスのようでしたが、折れたり欠けたりする場合は両方とも損傷することが普通です。このように色鉛筆の… 続きを読む
包丁研ぎ事例 9 3月 2021 段刃と研ぎの角度 刃線は壊れていないもののほとんど片刃に研がれた包丁をお預かりしました。 問題だったのはハサミのように鈍角にガッツリ削られた刃先です。ここまで研ぎ減らした分厚い刃を切れるように研ぐのは大変です。本来はこうなる前に対処しなくてはなりません。 研ぎ方が変わる包丁 包丁は刃先が薄く、峰側が厚いテーパー状にな… 続きを読む
包丁研ぎ事例 24 11月 2020 第一回研ぎ教室を終えて 先日、横浜戸塚の有隣堂カルチャーセンターにて包丁研ぎの講義をさせていただきました。講師として人前で話すのは初めての経験で何をどのように伝えたら良いか手探りしながらの講義でしたが皆さん真剣に聴いていただき感謝しております。参加された方からも後日、大変役立ったとのお電話をいただき今後の励みとなりました。… 続きを読む
包丁研ぎ事例 24 8月 2020 焼きの甘い刃物 研いでカエリが出るのに刃がつかない。しかもそのカエリはなかなか取れずに手で剥がさないと落ちないくらい頑固なバリがあります。その様は短い刷毛のようでもあります。 そんな庖丁の刃先をマイクロスコープで見ると短冊の様でもあり、異様なカエリになっています。 写真は荒砥で研いだものですが、このような症状は焼き… 続きを読む
包丁研ぎ事例 25 7月 2020 刃先の状態をミクロで知る 刃物研ぎは感と経験によるところが多く、研ぎ上げてお客さまにお渡しする前に切れ味のテストを致しますが刃物がどういう状態なのかを示す客観的な情報が少ない。 今回研いだのは貝印の菜切り包丁。見た感じ小さな欠けがあるものの概ね状態は悪くはないように見えます。 しかし、顕微鏡で見てみると欠けがたくさんあり、孔… 続きを読む
包丁研ぎ事例 4 5月 2020 変形した刃線 非常にユニークな形に研がれた包丁をお預かりしました。 切先と刃元の部分が丸く削られた形をしています。ある業者に研ぎに出したところ、返って来るとこのような形になっていたそうです。機械でかなり削らないとこのようにはできないですが、研ぎ師としての独自性を出したかったのでしょうか?理由は不明です。 子供用の… 続きを読む
包丁研ぎ事例 15 3月 2020 ステンレスの片刃牛刀 珍しい片刃の牛刀を研ぎました。洋包丁に和包丁の良さを加えたデザインです。片刃本来の切れ味があるかは別として、鎬があるので研ぐ時はそれに合わせることでアングルが決まりやすいメリットはあります。 本格的な片刃包丁ではないので裏スキは入っていませんでした。ですので裏スキというよりも簡単に平らに研いだ後にほ… 続きを読む
包丁研ぎ事例 7 3月 2020 大きく欠けた菜切り包丁を修正 良い鋼を使った菜切包丁ですが、ガッツリと欠けてしまっていました。このような場合でも刃幅は狭くなりますが削って使えるようになります。… 続きを読む