8000番の砥石は本当に必要?

これはケース・バイ・ケースですが、結論から言えば、少なくとも一般的な料理に使う万能包丁には、8000番以上の超仕上砥石は必要ありません。また、多くの方はその性能を十分に活かすことも難しいでしょう。

特に包丁研ぎを始めたばかりの方は、仕上砥石に興味を持つと、番手が高いほどよく切れると思い込み、高番手の砥石を選んでしまいがちです。しかし、砥石は番手の高さではなく、用途に合わせて選ぶものです。高番手だからといって、万能包丁の切れ味が常に向上するわけではありません。

砥石の番手は砥粒の細かさを表しています。細かい砥粒は非常に精緻な刃先を作ることができますが、そのような繊細な刃先は、実用面では刃持ちが短くなる傾向があります。

たとえば、鋸と剃刀を比べると、長く切れ味を維持するのは鋸です。もちろん用途が異なるため単純比較はできませんが、刃先の性質をイメージするには分かりやすい例でしょう。8000番以上の超仕上砥石で作られる刃先は、剃刀のように非常に滑らかな切れ味になりますが、その反面、実用では切れ味の変化も早くなります。

そのため、刺身のような柔らかく水分の多い食材を引き切る包丁には適していますが、肉や野菜など幅広い食材を扱う万能包丁には、必ずしも最適とは言えません。

万能包丁であれば、2000〜3000番程度の仕上げで十分ですし、1000番の中砥だけでも日常使いには困らない切れ味が得られます。むしろ、その方が実用的な刃持ちになる場合も少なくありません。

さらに、超仕上砥石の性能を十分に引き出すには、それに見合った鋼材を使った包丁であることに加え、研ぎの工程全体を適切に行うことが重要です。そのため、研ぎを始めたばかりの方には、使いこなすのが難しい砥石だと感じています。

まずは中砥だけでしっかり研げるようになり、その後2000番、3000番の仕上げによる違いを実感できるようになってから、8000番以上の超仕上砥石を検討することをおすすめします。

LINEで相談