30種以上の砥石から

ステンレスを研ぐ砥石は違う?

ハガネ(炭素鋼)と違って研ぎにくいステンレスの包丁は使う砥石が違うのかと質問される事がよくあります。

結論から言うと使う砥石は同じです。砥石の謳い文句に「ステンレス専用」とか「ステンレス包丁もよく研げる」とかが記載されているものがありますがあまり関係無いと思います。

とは言え、一つの砥石で全て間に合わせている訳でもありません。自分はおよそ30種類の砥石を状況に合わせて使い分けています。でもそれはステンレスか否かで使い分けるのではなく、作業効率や求める仕上、刃物との相性など状況に応じて使い分けています。ですのでステンレスだからコレ!というのはありません。そもそもステンレスと言っても種類が多く一様ではありません。

砥石には刃物の損傷度合いに合わせて研磨剤の粒子の大きさが異なる荒砥、中砥、仕上砥石などがある事はご存知だと思いますが、含まれる研磨剤や製造法によっても多数の砥石があります。

砥石の良し悪しに「よく削れる」「減りにくい」「キズが深く入らない」「研ぎ味」などがありますが、最初のよく削れると減りにくいは相反します。なのでそのバランスが大切なのですが、どの砥石も一長一短で決定版はありません。

まず削れないと話にならないのですが、減りやすい砥石は正確な研ぎに影響します。削れない砥石も使い方次第で活用できるものもあります。

研ぎ味などは曖昧な要素で人によって砥石の好みは別れるので色んな砥石を使って自分に合った砥石を探してみるのがいいでしょう。