包丁研ぎに角度ガイドは必要?

包丁研ぎの教室で、ときどき受けるご質問です。

「包丁を研ぐとき、研ぎ角を一定に保つためのガイドは必要ですか?」

結論から申し上げると、まったく必要ありません。むしろ、上達を目指すのであれば、ガイドを使うことによる弊害の方が大きいと考えています。

研ぎ角ガイドは、基本的に刃先を一定の角度で研ぐことを目的とした道具です。刃先だけを研ぐのであれば、研ぐ角度はある程度決まっています。しかし、それならガイドを取り付けなくても、講習で行っている基本的な手順を身につければ、適切な角度を取ることはそれほど難しくありません。

そもそも包丁研ぎでは、「必ず○度で研ぐ」と特定の数値にこだわる必要もありません。

日本の包丁の性能を考えるうえでは、刃先だけでなくブレード全体の形状が重要です。包丁によって形状は異なり、さらに同じ一本の包丁でも、刃元から切っ先まで形状や砥石に当てる角度が一定とは限りません。

そのため、一定の角度に固定するガイドでは、こうした変化に対応することができません。

また、ガイドに頼って研ぐ習慣が身についてしまうと、包丁の形状を見ながら角度や当て方を自分で調整する技術が身につきにくくなります。これが、研ぎ角ガイドをおすすめしない大きな理由です。

ちなみに、電動の研磨機には角度を一定にするためのガイドが付いているものが一般的ですが、本格的に研ぎの技術を身につけたいのであれば、私はガイドを使わないことをおすすめします。

包丁の製造現場でも、職人がブレードを研削・研磨する際、包丁全体を一定の角度に固定するガイドを使って仕上げることは基本的に想定されていません。包丁の形状を見ながら、その部分に応じて角度や当て方を変えていくからです。

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