1. 刃が付かないナイフについて
私たちはセラミックを除けば、金属製の包丁は何でも研げると思いがちですよね。しかし、最近私はそれが誤りであることを初めて知りました。
2. 実際の体験
先日、ある果物ナイフを研いでみたのですが、何度試しても刃が付きませんでした。荒砥でしっかりバリを出しても、中砥で研ぐとそのバリが取れてしまい、ツルツルになってしまいます。刃が細かくなるのではなく、完全に取れてしまうので、指で触れても全く切れない状態になってしまいました。
3. 調査結果
この現象に驚き、調べてみると、刃が付かない原因は鋼材と焼入れに問題があることが多く、古い中国製のステンレスではよくあることですが原因は別にありました。
4. 有名ブランドの意外な落とし穴
このナイフにはリチャードソンシェフィールド(Richardson Sheffield)という有名ブランドの刻印がありました。かつては英国の大手メーカーでしたが、買収を繰り返し、現在はオランダの会社に買収されたようです。このナイフは「ゴールドファインエッジ」という名称で、牛刀や三徳包丁など3本セットで約5000円で販売されていたものです。生産はほとんど東アジアで行われていたため、恐らく中国製だと思われます。
5. 絶対に研がないこと
この包丁には「絶対に研いではいけない」との注意書きがありました。金色のコーティングが施されており、それがチタンらしいです。使用すると柔らかい鋼材が削れ、硬いチタンが残ることで刃を維持するという理屈です。研ぐとチタンコートが取れ、ただのなまくらナイフになってしまいます。
6. 研がずに20年保証?
このナイフには「切れ味抜群、20年保証」と書かれていましたが、ネットでの評判はあまり良くありません。依頼主も「買ったときから全く切れない」とおっしゃっていました。このような原理の包丁は他にもありますが、刃先をざらつかせる程度で、鋭い切れ味は期待できません。荒砥で仕上げたようなラフな切れ味にしかならないのです。
このブログ記事を通じて、特定の包丁を研ぐ際の注意点を知っていただければと思います。皆さんも、お手持ちの包丁が本当に研げるものか、一度確認してみてくださいね。
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