初心者必見!砥石の選び方ガイド

ロックスター砥石 包丁研ぎ事例

刃物を研ぐ際に使用する砥石は、作業効率や仕上がりに大きな影響を与えます。砥石には多くの種類があり、刃物の材質によって適したものが異なります。例えば、鋼の包丁には合っていた砥石が、ステンレスの包丁にはうまく使えない場合もあります。刃物研ぎにハマると、様々な砥石を試してみたくなり、コレクターになってしまうこともあります。

初めての砥石選び

砥石は大きく分けて、天然砥石と人造砥石の2種類がありますが、今回は初心者向けの一般的な人造砥石について説明します。人造砥石とは、研磨材を接着して石のように固めたものです。理想の砥石は「よく削れること」「減りにくいこと」「深いキズが付きにくいこと」、そして「価格が控えめなこと」が求められますが、全てを満たす砥石はなかなかありません。

おすすめの人造砥石

初心者におすすめの砥は、シャプトン社製の「刃の黒幕シリーズ」または「ロックスターシリーズ」です。これらの砥石は、どの番手も滑らかで研磨力があり、キズも浅く、バランスが良いのが特徴です。水に浸す必要がなく、忙しい方にも最適です。

番手について

番手とは含まれる研磨材の粒子の大きさの目安で数字が大きいほど粒が大きく粗い砥石になります。砥石には、研ぐ役割に応じて荒砥石、中砥石、仕上砥石の3種類があります。荒砥石は180番、220番、320番などがありますが、扱いが難しいので注意が必要です。特に欠けや形の修正の必要が無ければ使いません。一般的な日常のメンテナンスには中砥石の1000番がベースとなり、より滑らかな切れ味を求めるなら仕上砥石に3000番を用意すると良いでしょう。

研磨材(砥粒)について

ここでちょっと専門的な研磨材についてご説明します。砥石は研磨材が削れることで刃物を削るので研磨材は砥石の重要な要素です。主な研磨材には硬い順にダイヤモンド>GC(緑色炭化ケイ素)>WA(白色アルミナ)>PA(淡紅色アルミナ)などがあり、この中でGCは主に荒砥石に使われ、WAが荒砥石から仕上砥石まで最も幅広く使われています。

砥石の製法

砥石の性能は、砥粒とその結合材によって決まります。結合材には、ビトリファイド、マグネシア、レジノイドの3つの製法があります。研磨力の順にご説明すると、ビトリファイドは高温で焼き固めた砥石で硬く研磨力があるのが特徴です。使う前に水に浸しておくのがこの製法の砥石です。次にマグネシアでセメント系の結合材で乾燥させた砥石です。滑らかな研ぎ心地でキズも浅く地を引くこともありません。ひとつ注意が必要なのは水に浸けっぱなしにすると変質する恐れがあります。最後のレジノイドは樹脂を低温で固めた砥石で弾性があり研磨力は低いものの、滑らかな研ぎ心地で光沢が出せて繊細な研ぎに向いています。
それぞれ一長一短なので特徴を理解して、使い分けることが重要です。

ただし、残念なことに製法を記載した砥石は少ないので、詳しくは専門店に聞いてみてください

天然砥石について

天然砥石は自然の山から採掘されたもので、現在では京都の限られた山でのみ産出されています。希少価値が高く、値段も高いですが、人造砥石にはない魅力があります。

初心者の方は、まずは人造砥石で基本を押さえ、慣れてきたら天然砥石に挑戦してみるのも良いでしょう。どの砥石を選ぶかは、包丁の種類や用途に応じて決めるのがポイントです。

お読みいただきありがとうございました。砥石選びの参考になれば幸いです。

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