初心者が荒砥を使ってはいけない理由
包丁を研ぐときに使う砥石には、荒砥(あらと)・中砥(なかと)・仕上砥(しあげと)の3種類があります。
しかし、それぞれの砥石の性質や用途をよく知らずに使っている方が意外と多いものです。なかでも荒砥は使い方を誤ると、包丁を切れるようにするどころか、逆に刃を傷めてしまうことがあるため注意が必要です。
荒砥とは、砥粒の細かさを示す「番手」が#400未満の砥石のことを指します。包丁研ぎでよく使われるのは、#320、#220、#120といった番手です。


これらは研磨力が非常に高く、刃欠けの修理や歪み、厚みの調整など、形を整える作業に最適です。
一方で、包丁に深い研ぎキズが入りやすく、砥石自体も減りやすく凹みやすいという欠点があります。
このため、荒砥で刃先(切れる部分)を仕上げようとすると、剃刀のような繊細な刃にノコギリ状の荒い刃をつけてしまうような状態になります。結果として、刃先が粗くボロボロになり、むしろ切れ味を悪化させてしまうのです。
こうした特性を知らずに新品の包丁を荒砥で研ぎ、刃をズタズタにしたり変形させてしまうケースも少なくありません。
荒砥は非常に便利な道具ですが、使いこなすには中砥でしっかり刃付けができるようになってから挑戦するのが安心です。まずは中砥で「研ぎの基本」を身につけ、荒砥は形を整えるための特別な道具として扱うようにしましょう。
💡まとめ
荒砥は「切れ味を出す砥石」ではなく「形を整える砥石」です。
扱いを誤れば包丁を壊してしまいますが、正しく使えば刃をよみがえらせる強力な味方になります。
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